建設史
1928

ニューヨーク5番街の名高いザ・ウォルドーフ=アストリア・ホテルの跡地が、ベスレヘム・エンジニアリング・コーポレーションに推定価格2,000万ドルで売却される。ホテルの解体からわずか数年後に、世界で最も野心的な建設プロジェクト「エンパイアステートビル」の建設地となる。

1929

元ゼネラルモーターズ幹部のジョン・ジェイコブ・ラスコブ、エンジニアのコールマン・デュポン、実業家のピエール・S・デュポン、ルイス・G・カウフマン、エリス・P・アールが、エンパイアステートInc.を設立し、元ニューヨーク州知事のアルフレッド・E・スミスを社長に任命する。

1930

3月17日、エンパイアステートビルの建設が開始される。世界初の100階を超える高層ビルとして、5番街の中心的スポットとなる構想でプロジェクトが始まった。建築事務所シュリーブ・ラム&ハーモン・アソシエイツの監督のもと、Starrett Brothers & Eken社が施工を担当し、建物の骨組みが1週間に4階半のペースで組み上げられていく。

1931

1年45日間という記録的な速さでビルの建設が完成。102階建てのビルはニューヨーク中の注目を集め、5月1日にフーヴァー大統領がワシントンD.C.で照明の点灯ボタンを押し、エンパイアステートビルが公式に開館する。

新たなスカイライン
1932

「世界一高いビル」として、エンパイアステートビルはたちまち評判の観光名所となる。1回10セントの望遠鏡でニューヨークの街並みを眺めようと、世界中の人々がこのビルを訪れる。観光客が払った硬貨の総額は、半年で3,000ドルに上った。

1933

映画『キング・コング』が3月2日にニューヨークで公開。史上最も有名な映画の1つとなったこの作品にエンパイアステートビルが登場し、脚光を浴びる。その後も、数多くの映画やポップカルチャーの重要なシーンで象徴的な役割を果たす。 

1946

開館から15年後には数多くの大企業の本社が入居し、約15,000人の従業員がエンパイアステートビル内で勤務するようになる。この時点で、エンパイアステートビルは世界で最も大きな収益を上げる建物になる同時に、最も人々に愛される有名建築物の1つとなっていた。

シンボルとしての成長
1950

エンパイアステートビルのアンテナをさらに多くのテレビ・ラジオ局が利用できるように、高さ60メートル、重さ60トンを超えるアンテナタワーが設置され、ビル全体の高さが約448メートルに達する。 

1955

米国土木学会は、アメリカ史における最も偉大なエンジニアリングの1つとして、フーバーダムやパナマ運河とともに、エンパイアステートビルを選出。この他にも、長年にわたり数多くの名誉ある賞を受賞する。

1956

来場者に対する歓迎と自由の象徴として、アンテナタワーの基底部に4つの巨大な標識灯が設置される。ニューヨーク市内どこからでも見えるこの標識灯は「ザ・フリーダム・ライト」と呼ばれた。

唯一無二の存在
1961

ローレンス・A・ウィーン、ピーター・L・マルキン、ハリー・B・ヘルムズリーらが6,500万ドル(現在の金額で約5億5,700万ドル)でエンパイアステートビルを購入する。 この価格に土地代は含まれておらず、1つの建物に対して支払われた金額としては史上最高額となった。

1969

デイリー・メール大西洋横断エアレース(Daily Mail Transatlantic Air Race)のゴール地点として、エンパイアステートビルが指定される。ジェット機やプロペラ機、ヘリコプターなどを操縦する男女360人のレース参加者が、ロンドンのポストオフィス・タワー(現BTタワー)から出発して大西洋を渡り、長い航路の果てにニューヨークの本ビルを目指した。

1976

エンパイアステートビルの展望台が、5,000万人目の来場者を迎える。現在は、毎年400万人を超える来場者がこの素晴らしい展望台を訪れている。

1976

アメリカ合衆国建国200年を祝して、エンパイアステートビルに色付きの投光照明が設置され、夜間に赤、白、青にライトアップされる。 この時の照明は、現在人気のライティングパートナーズ(Lighting Partners)プログラム(詳しくは「タワーライト」ページをご覧ください)へと発展する。

1978

2月15日、非営利団体ニューヨーク・ロードランナー・クラブ(New York Road Runner Club)が毎年主催しているエンパイアステートビル・ランアップの第1回目が開催される。ランナーたちはビルの最上階を目指して1,500段を超える階段を駆け上がった。現在に至るまで、当ビルのランアップは毎年恒例の伝統行事になっている。 

今年のランアップの詳細は [こちら] をご覧ください。

1981

5月18日、ニューヨーク市の歴史的建造物保存委員会がエンパイアステートビルを「歴史的建造物」に指定する。

1986

国立公園局により、エンパイアステートビルがアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定される。

新たな時代の始まり
1993

6,500万ドル規模の近代化プログラムが始動。新しいエレベーターや空調システムなど、テクノロジーがアップデートされた。また、6,514枚の窓の交換も行われた。これは歴史的建造物保存委員会がこれまでに許可したなかで最も大規模な窓交換作業となった。 

現在進行中のエンパイアステートビルの進化については、サステナビリティの取り組みをご覧ください。

1994

2月14日、エンパイアステートビル初のバレンタインデー・ウェディングが執り行われる。以来、250組以上のカップルがバレンタインデーにこのビルで誓いの言葉を交わしてきた。毎年テレビ放映されるこのイベントは、世界中のニュースで取り上げられている。

プロポーズをお考えですか?ぴったりの場所があります。展望台について、さらに詳しくご覧ください。

2006

創設75周年にあたり、所有者がエンパイアステート・リビルディング(Empire State ReBuilding)プログラムを発表。ビル全体を広範囲に再生するためのプログラムには、ビルの象徴であるアールデコ調ロビーの全面的な改修・復元や、金とアルミニウムを配したオリジナルの天井の忠実な復元が含まれていた。

エンパイアステートビルについて、さらに詳しくご覧ください。

 

2007

アメリカ建築家協会が発表した「America's Favorite Architecture」(アメリカの人気建築物)ランキングで、ホワイトハウスやゴールデン・ゲート・ブリッジ、ワシントン大聖堂など他の名所を抑え、エンパイアステートビルが1位に選出される。 

2009

ビル・クリントン大統領、マイケル・ブルームバーグ市長、アンソニー・E・マルキンが、エンパイアステートビルの画期的なエネルギー効率改善プログラムを発表。先例のない、複数年にわたるこのプログラムでは、テクノロジー、システム、建築、とさまざまな観点から最適化を図り、既存建造物の改修に関する世界の模範となる。

当ビルのサステナビリティの取り組みについて、さらに詳しくご覧ください。

次世代への継承
2009

9月29日、新たに改装された5番街ロビーの天井が披露される。 開館当時の姿が忠実に再現された。アールデコの傑作である壁画の復元にかかった職人の作業時間は累計2万時間に及んだ。この改修には、建物の建設期間よりも長い時間を要した。

この大規模な改修についての詳細は 「建築とデザイン」のページをご覧ください。

2010

エンパイアステートビルがオンラインデビュー!FacebookやTwitterを通じて、世界中の50万人以上のファンとつながった。現在のフォロワー数は数百万人に達し、今なお増え続けている。世界で最も有名なビルをフォローしていますか? 

エンパイアステートビルの公式 Instagram, Twitter, Facebookをご覧ください!

2011

米国環境保護庁(EPA)より、2011年グリーンパワー・リーダーシップ賞を受賞。また同年に、エンパイアステート・リビルディング(Empire State ReBuilding)プログラムなどの近代化に向けた取り組みが評価され、LEEDゴールド認証を取得する。

2012

エンパイアステートビルが新しいLED照明システムを発表。1,600万色の表現が可能になる。このアップグレードによって、これまで以上にさまざまな表現方法で観光客やニューヨーク市民に感動を届けることが可能になる。 

現在のライトアップについては、 「タワーライト」ページをご覧ください。

2018

8月24日、34丁目側に来場者向けの新しいエントランスが完成し、一般公開される。現在はエンパイアステートビルの壮麗な世界に足を踏み入れる来場者の大半が、このエントランスから入場している。来場者を出迎えるのは、SNSで人気の写真撮影スポットや本物そっくりのビルの模型だ。

2019

2階と80階の展示スペースの全面改修が完了し、新たに生まれ変わったエンパイアステートビルが披露される。歴史、ポップカルチャー、華麗な美、ニューヨークの街が織りなす、これまでとは全く違うエンパイアステートビルの世界を体験できるスペースとなった。102階展望台デッキは、新エンパイアステートビルの見所の1つ。新しく改装されたこの美しい展望台デッキからはニューヨーク屈指の絶景が見渡せる。

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